自宅のテレビで受信しているリアルタイムの番組や録画番組を外出先からインターネットを介して、スマートフォンやタブレットにより視聴できるのが「デジタル放送のリモート視聴」機能です。
外部からのリモートアクセスは前項のDTCP+を利用することで、これまでもかの杖下が、デジタル放送については(1)番組を録画⇒(2)録画した番組をDTCP+サーバー(NASなど)にダビング⇒(3)NASからクライアント配信という手順を踏む必要がありました。
(一社)次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)が策定した「デジタル放送受信機におけるリモート視聴要件(NEXTV-F TR-001)に対応したテレビ/録画機器であれば、外出先からスマートフォンやタブレットを利用して放送のリアルタイム視聴や録画番組の視聴が可能となります。
リモート視聴機能を利用するための手順は以下の通りです。
①リモート視聴対応テレビ/録画機器をインターネット回線につなぐ
②スマートフォン/タブレットにリモート視聴用のアプリをダウンロード※1
③事前にスマートフォン/タブレットとリモート視聴対応テレビ/録画機器の紐付け(ペアリング)※2を行う
④外出先からスマートフォン/タブレットを用いてインターネット経由で自宅のテレビ/録画機器にアクセスし、デジタル放送の番組を視聴※3
※1 メーカーによっては有料アプリもあります。
※2 90日に1回はペアリングを更新する必要があります。また同時にペアリングできる子機は6台まで。同時にリモート視聴できる子機は1台までです。
※3 BSデジタル放送やCSデジタル放送の一部有料チャンネルはリモート視聴の対象外です。
なお、外出先から3G/LTE回線を使ってリモート視聴を利用する場合は通信容量に注意が必要です。
DTCP-IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)は著作権保護されたコンテンツをホームネットワーク上で伝送するための技術規格です。
DTCP-IPはDLNAにおいても採用されており、ホームネットワーク上でCASやCPRMなど、異なる著作権保護技術が用いられてたコンテンツを共有するため、
機器の相互認証のほか、コピー制御情報の設定、伝送するコンテンツの暗号化、不正機器の排除、コンテンツ伝送を宅内に制限などの機能が備わっています。
また外部からのリモートアクセス機能などが追加されたDTCP-IPの拡張仕様にDTCP+(プラス)があります。
インターネットとは、TCP/IPというプロトコル(通信規約)を使って構築された世界的な分散型のネットワークです。インターネット全体を管理する組織はなく、インターネットに接続している各ネットワークがそれぞれのユーザやサーバ、サービスを管理しているオープンシステムです。
インターネットは、個人や会社、学校などがそれぞれ契約しているプロバイダを経て世界中のネットワークに接続されています。そして電子メールを利用したり、ホームページを閲覧したりするためのサーバと呼ばれるコンピュータが世界中に接続されています。
ネットワークは相互にルータと呼ばれる機器で接続されています。ルータは隣接するネットワークから受け取った情報の宛先を読み取り、次の中継地点へと案内する役割を持っています。
ルータに接続されているコンピュータには、一台一台、IPアドレスと呼ばれている固定の番号が振られており、情報をやりとりする場合の住所の役割を果たしています。
個人のパソコンやテレビをインターネットに接続する場合、プロバイダという常時インターネットに接続している企業と、光回線などインターネット回線を提供する通信会社と契約する必要があります。
プロバイダはISP(インターネットサービスプロバイダ)といいます。