データ放送と比較するとハイブリッドキャストには下記の特徴があります。
①豊富な表現力
・HTML5の採用にデータ放送に比べて高解像度な表現や多彩な色表示が可能(デジタル放送では解像度1920×1080。データ放送は事実上960×540)
・放送画面に重ねて情報を表示する「オーバーレイ表示」が可能
・画面全面がHTML5ブラウザ。放送画面やネットコンテンツもHTML5ブラウザ上で動作
②放送と通信の連携
・番組進行に合せて、自動的にアプリの内容を変更可能
・放送信号のタイミングで、スマートフォンやタブレットのアプリを制御可能
番組連動のデータ放送が行われている時は「番組連動のデータ放送画面」が表示される場合があります。
番組連動のデータ放送中、dボタンを押したときに「ハイブリッドキャスト画面」と「番組連動データ放送画面」のどちらを表示するか、放送事業者が放送の制御信号で指定しています。
なお、NHKの番組ではリモコンの黄色ボタンを押すことで「ハイブリッドキャストのトップ画面」を表示することが出います。
現在、多くのケーブルテレビはテレビなどの放送サービス、インターネットサービス、電話の3つのサービスを加入者に同時に提供する「トリプルサービス」を実施しています。
また今後、放送と通信サービスの高度化や視聴者ニーズの変化に対応していくため、各ケーブルテレビ事業者が必要な機能やサービスを共有できる仕組み(ケーブルプラットフォーム)の構築が進められています。
このうちIP映像伝送機能の共有化については、J:COMとJE(ジュピター・エンタテイメント)が開発したIP-VODプラットフォーム「milplus(みるプラス)」やJ.COTTの「cottio(コティオ)」が開始され、全国に拡大しています。
(一社)日本ケーブルテレビラボの次世代STB仕様(JLabs SPEC-023)に準拠したケーブルテレビ用STBを「ハイブリッドBox」といいます。
ハイブリッドキャストBoxは従来型STBが持つケーブルテレビ放送受信機能に加え、ケーブルモデム、無線LANルータの機能も内蔵されています。
またグーグルの基本ソフトAndroid(アンドロイド)OSが搭載されているため、アプリの追加・利用が可能です。
ハイブリッドBoxの標準仕様は以下のような機能・サービスを目的に策定されています。
・ケーブルテレビの基本機能(従来型STBが持つ機能)
・ Android OS搭載によるアプリの追加・利用
・ HTML5ブラウザ搭載
・ チャンネル情報、EPG情報などテレビ機能をアプリで制御する機能
・ 長時間録画、他デバイスへのコンテンツ転送のための変換機能
・ 映像、音声などをホームネットワークで共有する機能(DLNA)