ルータは交差点の信号機のようにインターネット上のデータの交通整理を行う機器です。パソコンやタブレット、テレビなど複数の機器を同時にインターネットにつなぐ場合に使用します。LAN側に接続された機器にIPアドレスを重複なく付与する機能(DHCP機能)を持っています。
テレビと有線LANルータをつなぐ場合の配線を図2-5に示します。実際に引き込まれたインターネット回線は、モデムやONU(光回線端末)を経てルータに入ります。ルータから各受信機はLANケーブルを用いて接続します。
テレビに無線LAN機能が付いている場合は、お互いの機器を認証するだけで無線接続できます。テレビに無線LAN機能が付いていない場合は、外付け型の無線LAN子機を使用します。
外付け型の無線LAN子機にはテレビもLAN端子につなぐタイプとUSB端子につなぐタイプがあります。USB端子につなぐタイプにはパソコン用とテレビ用があり、パソコン用をテレビにつないでも利用できないため注意が必要です。また無線LAN親機と子機がセットになった製品は、予め認証が済んでいるため通信設定は不要ですが、子機のみ増設する場合は通信設定が必要です。
Wi-Fi(ワイファイ)は国際標準規格であるIEEE802.11を使用した無線LAN規格の一つです。無線LAN業界団体であるWi-Fiアライアンスによって、機器間の相互接続試験をパスした装置にロゴ表示が許可されています。
またWi-Fiロゴが添付されている機器同士なら相互接続が保証されており、親機(アクセスポイント)を介さずに、子機同士を直接、無線LANで接続することが出来ます。これをアドホックモードといいます。
Wi-Fiは規格によって利用する周波数帯や伝送速度が異なります。このうち5GHz帯は電子レンジや無線LAN同士の干渉を受けにくく、特に通信の安定性が必要とされる動画サービスなどに適しており、無線LAN機器はIEEE802.11n(5GHz)やIEEE802.11ac対応機種を選びます。
無線LAN機器がどのWi-Fi規格に対応しているかは、製品パッケージなどに記載されています。