◇ブースターの設置
ブースターは入力された信号を増幅する機器で、通常は受信アンテナの直下に設置し、受信された信号品質を保ちながら信号量(レベル)を上げて運用します。
ブースターの利得(増幅量)は、分配器やケーブルなど受信システム内での減衰量を考慮して選定します。
なお、ブースタの定格出力を大幅に超えて使用すると、ブロックノイズや受信不良になるため注意が必要です。
またブースターの取付け方法に不備があると、「ブースター発振」による受信不良が起こる場合があります。
ブースター発振はブースターで増幅されたテレビ信号の一部が入力側に戻り,更に増幅され強力な妨害電波を発生する現象です。
F型接線タイプの受信システム機器の普及により発生頻度は減りましたが、ブースター発振が起きた場合は、妨害電波が受信アンテナなどから放射されるため、広範囲(周辺100m~1km程度)に受信障害が発生します。
ブースター発振を防止するには
・アンテナとブースターの間隔は十分に空ける。
・ケーブルはアンテナマストに束ねず、スタンドオフ(インシュレータ)を使用する。
・ケーブルは直付けせず、F型接栓を使用する。
・F型接栓タイプのブースターを使用する。
◇同軸ケーブル
同軸ケーブルには、太さや編組による減衰量の違いのほか、シールド数の違いなどがあります。
電波を良好な状態で伝送するためには、低損失でBS-IF帯までの性能が安定しているS-4C-FB以上の同軸ケーブルを使用する必要があります。
集合住宅などの共同受信システムにはS-5C-FBやS-7C-FB,低損失のHFLタイプの同軸ケーブルを使用します。
また、 3Cなどの細いケーブルや, 5C-2VなどのUHF帯の性能保証がないケーブルを使用している場合,経年劣化により減衰量が増加することがあります。
S-5C-FBなどのUHF帯の減衰が少ないケーブルを設置して改善を図ります。
ケーブルを極端に折り曲げたり,電源配線用のステップルで固定したりすると,被覆が傷つき腐食しやすくなるほか,断線やショートの原因となります。