地上放送を安定受信するためのUHFアンテナの基本を解説します。
◇受信帯域について
地上放送で使用されるUHFアンテナは受信する帯域によって、利得が異なります。
受信するチャンネルに合ったアンテナを使用しないと、電波の強い地域であっても受信不良となる恐れがあるため、地域のチャンネルにあったUHFアンテナを選びます。
◇アンテナ利得について
UHFアンテナには素子(横に並んでいる棒状の金属)の数によって、アンテナ利得(電波を受信する力)が異なります。
素子数が多くなるほどアンテナ利得が高くなりますが、アンテナの指向性は狭くなります。
地域の電波状況に合った受信アンテナを選びます。
◇指向性(半値幅)
受信アンテナには、最大感度方向があります。安定した放送受信をするためには 送信所に正しくアンテナを向けます。
なお、最大感度方向の利得から3dB低下する2つの方向をはさむ角度を「半値幅」といい、半値幅が小さいほど指向性が鋭くなります。
指向性が鋭いアンテナを正しい方向に向けることで、マルチパス(反射波)や妨害波を弱められ、障害を取り除き信号劣化を防ぐことができる場合があります。
◇ハイトパターンの調整(UHFアンテナの取付け)
電波の周波数や送信点からの距離によって受信電界強度が変化します。
そのため、受信チャンネルにレベル差がある場合はアンテナ(高さや位置)の調整が必要です。
アンテナは高くすれば良くなる場合だけではないので注意が必要です。
<ポイント>
ハイトパターンピッチ(レベル変動の周期)は、周波数が高いほど、 また、送信アンテナ高が高いほど短くなり、送信点・受信点間距離が遠いほど長くなります。